生物季節観測

季節の歩みを教えてくれる生物季節観測

こんにちは!気象予報士の住友です。

みなさん気象庁では、天気や気温などの観測の他にも、生き物を観測しているってご存じですか?

「生物季節観測」っていわれるものです。

有名なのは、桜ですね!

春になると「ソメイヨシノ開花」「ソメイヨシノ満開」ってニュースになります。

そう、それが生物季節観測なんです。

今回は、その生物季節観測について「へぇ~」ってなる雑学をお伝えします。

 

そもそも何のために生物を観測しているの?

ざっくり一言でいうと、「季節の歩みを知るため」。

主な活用法は3つです。

1.季節の歩みが早いのか、遅いのかという知る。

2.気候の推移を把握すること用いられる。

3.生活情報として利用。

 

上記の「ソメイヨシノ開花」は、1や2の活用もされていますが、3としても私たちの生活の中で花見の予定を立てるなどの活用されています。

 

どんな生き物が観測されているの?

季節を代表する生き物が観測されています。

日本で広く見られる生き物は「規定種目」として全国の気象台で観測されます。

植物:サクラ、イチョウ、アジサイ、ウメなど

植物:アブラゼミ、ウグイス、キアゲハ、モンシロチョウ、シオカラトンボなど

があります。

 

植物は、おもに気象台の構内に標本木があり、毎年決まった木を観測しています。

(サクラは、気象台の郊外にある場合もあります。)

動物に関しては、動き回るものなので、気象台構内だけでなく、その近郊でも気象台職員が見かけたり、鳴き声を聞いた場合に観測されたとしています。

 

地域限定!?の生物季節観測

南北に長い日本では、地域によって動植物の生息域が違います。

そのため、生物季節観測では、その地域独自の動植物も「規定種目」として観測しています。

 

北海道ならではのライラック

札幌では、生物季節観測が始まった1953年からライラックを観測しています。

帯広でも1955年から、網走は1988年から観測しています。

2020年現在、ライラックを観測しているのは上記3箇所ですが、かつては北海道以外でも観測されていました。

東北地方の山形で、1962年~1970年にかけて観測データが残っています。

 

全国的に水戸だけで観測されているクリ

全国100箇所以上の気象台で、唯一、水戸のみで観測されている激レア選択種目は「クリ」の開花です。

生物季節観測が始まった1950年代には15箇所ほど観測されていますが、1960年代には5箇所ほどに減少。

1970年代後半には、富山、宇都宮、前橋、水戸の4箇所となり、水戸以外の3箇所は2002年で観測を終えたため、現在は水戸のみで「クリ開花」が観測されています。

 

これらは、一部ですが、機会を見て地域ならではの生物季節観測を紹介できればと思います。

 

減りつつある生物季節観測

生物季節観測が始まった1953年には100箇所以上あった気象台。

かつては、気象観測を人の目で行っていたため有人だった気象台も、1970年代のアメダスの普及や、観測の自動化などにより現在は60箇所ほどに減少。

単純に気象台が減ったため生物季節観測の観測ポイントも減りました。

 

また、近年では、都市化の影響もあり毎年のように見られなくなってきたものもあります。

生物季節観測も10年に一度、平年値の見直しが行われますが、その際に平年をだすほど観測されない生き物は、観測をやめた事例があります。

生物季節観測が始まってから60年ほど経ち、気候変動や都市化が生き物へ影響を与えていることが長期的に観測することでデータからも伺い知ることができます。

 

<2021年追記>

生物季節観測は、サクラや梅など一部の植物をのぞき終了してしまいました。

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