生物季節観測

なんと10種類以上!気象台で観測しているセミについて解説

こんにちは!気象予報士の住友です。

気象庁では、気温や降水量などの気象データの他にも季節の歩みを知るために動植物の観測をしています。

その中でも観測しているセミの種類が豊富なんです!

 

気象キャスターをしているときは、仕事中に電文(生物季節観測など気象庁が発表するデータ)が読まれる(機械が電文タイトルを自動読み上げる)度に密かに心の中で叫んでいました。

 

「そんなセミいるの? 聞いたこと無いんだけど・・・。」

「セミ・・・いったい何種類あるのーーー??」

ということで、気になりすぎて調べました。

今回は、気象台が観測しているセミについて詳しくてご紹介します。

 

ニイニイゼミ

セミと言えば!という代表的なセミで、日本広く観測されています。

生物季節観測が始まったころは、本州や四国、九州、沖縄にかけて観測しており、観測地点自体は減りつつも現在も広く観測されています。

しかし、南国は生物の分布がやや変わるため、

那覇にある沖縄気象台では「クロイワニイニイ」を

宮古島地方気象台では「ミヤコニイニイ」を観測しています。

 

なお、1950年代~80年代にかけては、東京でも観測していました。

特に、70年代~80年代は、データに欠測が見られるため、都市化の影響で観測できない年が目立つようになり、1990年代には観測自体を取りやめています。

ニイニイゼミの観測データからも東京の発展が垣間見ることができます。

 

アブラゼミ

日本広く分布しているため、全国的に観測されているアブラゼミ。

生物季節観測開始以来、北海道から九州まで広く観測されています。

沖縄地方では、1973年に名護で、1976年に那覇(沖縄地方気象台)、1986年に久米島で少し遅れて観測が開始されていますが、2000年代に入り那覇のみとなってしまいました。

地方気象台の統合・廃止の時期と重なるため、気象台が無人化した際に、観測も終わってしまったのだろうと推測できます。

なお、那覇(沖縄気象台)では「リュウキュウアブラゼミ」をアブラゼミとして観測しています。

 

クマゼミ

2020年6月現在、大阪や高知、石垣島、宮古島、那覇でのみ観測しているクマゼミ。

現在、クマゼミ前線は進行中のため、7月までには、奈良や和歌山でも観測されるはずです。

もともと選択種目のため、西日本を中心に観測している所があり、かつては名古屋や岐阜でも観測の記録が残っています。

なお、那覇にある沖縄気象台ではクマゼミを観測していますが、石垣島地方気象台では「リュウキュウクマゼミ」を観測しています。

 

ハルゼミ

1953年の観測当初は、北海道から本州、四国、九州と日本広く観測されていました。

しかし、2020年6月現在でハルゼミが観測されたのは長野、津、高知、岡山の4か所のみとなっています。

現在観測しているか所の平年では、4月中旬から下旬にかけて初鳴が聞かれるようで、まさに名の通り春に鳴くセミです。

 

クサゼミ

1953年の生物季節観測開始以来、沖縄地方のみで観測されているセミがクサゼミです。

正しくはイワサキクサゼミという種の初鳴を観測しています。

2020年現在、石垣島、宮古島、那覇の3地点でのみ観測しており、平年では3月下旬から4月下旬にかけて初鳴が聞かれます。

 

ツクツクホウシ

鳴き声が「ツクツクホーシ」と特徴的なので、セミにさほど詳しくない人でもツクツクホウシの鳴き声はわかる方もいるのではないでしょうか?

かつて・・・観測開始当初は、本州から四国、九州の広い範囲で観測されており、現在も本州と四国で観測されています。

平年では7月上旬から下旬にかけて初鳴が聞こえるようになります。

生物季節観測が始まった1950年代は、北海道や東北北部にも観測の記録が残っています。

チャレンジしたんですね。。。

 

ヒグラシ

1953年の生物季節観測開始から2020年6月現在も、本州(東北南部以南)から四国、九州にかけて観測されているのがヒグラシです。

7月上旬から下旬にかけて初鳴が聞かれるようです。

私個人的には北海道に長年住んでいて、ヒグラシを見たことも鳴き声を聞いたこともなかったので、ヒグラシは北海道にいないとセミなんだと思っていましたが、札幌に観測の記録が残っていました。

札幌のみですが1954年~1957年にかけて4年寒だけ観測しています。

チャレンジはしたんです。。。

 

調べてみると、北海道でもヒグラシの抜け殻が発見されており生息はしているようです。。。

が、毎年観測できるほどではない、北海道ではレアなセミだったんですね。

 

ミンミンゼミ

1953年の観測開始頃は、本州や九州、四国の広い範囲で観測されていましたが、現在は本州と四国のみで観測されています。

平年では7月下旬から8月上旬にかけて、ミンミンゼミの初鳴が聞こえます。

かつては、北海道にも1950~60年代にかけて観測の記録が残っていました。

ヒグラシ同様、チャレンジしたんです。ね。。。(涙)

 

まとめ

気象台で観測しているセミは大きく8種類ですが、沖縄など地域によっては代替種もあり、それらを含めるとなんと12種類観測されています。

南北に長い日本は、気候も違うので、観測される動物が違うということが、セミだけをとってもわかります。

 

また、生物季節観測が始まったころは、各地で様々な種類の動植物を観測にチャレンジしたんだろうといのがデータ的にも残っていて(特に北海道)、当時の意気込みのようなものを感じざるを得ません。

現在は、気象台の無人化や都市化の影響もあり、観測開始当初よりは観測地点は明らかに減少しています。

50年以上、人が観測し続けている記録というのはすごいことで、とても貴重だと改めて実感します。

また、視点を変えて見るのと時代の流れも垣間見れるので、生物季節観測はとても興味深いデータだと思います。

<2021年追記>

気象庁による生物季節観測がサクラやウメなど一部の植物をのぞき廃止となってしまいました。

かつてはセミも観測していたんだなぁという記録として記事を残しておきます。

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